日中比較論 [雑談]
私はこれまでに17回、中国に旅行しました。今回は、中国と言う国を見て肌で感じた私なりの日中比較論をご紹介したいと思います。旅行と言うよりは政治・思想という色合いが強いかもしれません。興味のない方はスルーしてください。
元々日本は徳川幕府、大日本帝国の時代を経て、主君のため、国のために尽くすことを是とする国民性が醸造されてきました。滅私と言う言葉もあり、良くも悪くも全体主義的であり、その中で一致団結した強さを発揮するのが日本という国でした。その意味で、会社という組織に尽くす終身雇用制は日本人に非常になじんでいたと思います。
対する中国は個人主義で我が侭。「上に政策あれば、下に対策あり」という言葉があり、役人が自分に都合の良い政策を打ち出せば、庶民がそれに対する対策を打ち出す、いわば各個人が好き勝手にふるまうのが中国流です。「自分さえ良ければそれで良い」という国民性の国家に共産主義という概念を持ち込んだため、自分のためにならない(国全体のための)努力をする人はほとんどいなくなり、建国後長い間、足踏みをして来ました。それが政策の変換によって「先に豊かになれるものから豊かになろう」という資本主義の社会にかわり、人民が自分のためだけの努力をするようになり、この10年ちょっとの間に目覚しく経済が発展したのはご存知のとおりです。
ただ、経済大国となった現在も「信用できない国」という印象は変わりません。学級委員ではなく、自分勝手なガキ大将というイメージです。中国では、どこにでもすぐタンを吐く、行列は1列ではなくて同心円状に並ぶ、割り込む、と言う風景が当たり前です。人民の大多数は民度が低く、日本や欧米に留学する知的階層の中国人の中には、大多数の中国人を自分と同じ国民だと思ってほしくないと考える人もいます。
そのような国ですので、食品や医薬品は毒入りだろうが何だろうが売れれば良いという考えがまかり通っています。食品工場で働く中国人は自社製品を食べないと聞いたことがあります。中国人は自国の医薬品を信用していないので、日本に来ると薬局に立ち寄り、日本製の医薬品をお土産として山のように買って帰ります。ですが大事な客人を丁寧にもてなすという文化も併せ持っているため、高級レストランに行けば安全で信頼できる料理を食べることもできます。もっとも「大事な客人」とみなされなければその限りではありませんが…
このような国民性をもつ中国ですが、私は最近こう感じています。中国は急速に日本のような豊かな国になりつつあり、日本は急速に中国のような民度の低い国になりつつある、と。いわば中国の日本化、日本の中国化です。
話は変わりますが、世界中どこの国にも富豪と呼ばれる人たちがいます。現在ロシアで富豪とされる人たちは主に40代です。20年ほど前にソ連が崩壊するまでは彼らもごく平凡な庶民だったのですが、それがわずかな間にどうして富豪になったか、みなさんはご存知ですか?
ソ連崩壊時、ロシアは旧国有企業の株券を発行して国民に配りました。しかし社会主義に慣れ親しんだ人たちにとって、それは意味の分からない紙切れに過ぎませんでした。その中でいち早く株式の理屈、資本主義社会の仕組みを理解した一部の人たちが、その日の自分の食料と他人が持つ株券を交換したのです。多くの人が目先の食料にとびついたため、彼らは短期間にして多くの株式を集めることができました。こうして瞬く間に大株主となった彼らは、富豪への道をひた走りました。
私はこのブログの最初に、給与所得者がその収入を増やすためには朝から晩まで一生懸命働いてはいけないと書きました。それは(将来の所得を増やすために今何をすべきかという)長期ビジョンのない、思慮の浅い人間の行為だからです。もし彼らがロシアに生まれていたら、今日の食事と引き換えに喜んで手持ちの株を手放したことでしょう。とても近視眼的な行為ですが、残念ながら昔から日本では(特に低所得層で)長期ビジョンや自立心のない人が多く、最近ますます増えてきたように思います。
小泉改革、市場原理主義によって良くも悪くも一部社会主義的であった日本が競争社会にひた走り、取り残された人たちには今日のことを考えるのが精いっぱいになったという事情は分かります。特に不幸であったのは、日本は地勢的に中国ととても近かったと言うことです。国境の垣根を越えた国際市場に放り出された日本では、これまで日本人労働者が行ってきた単純作業を、はるかに労働単価の安い中国へと移譲することが容易でした。その結果、単純労働者の雇用情勢はますます厳しいなり、今日の自分のことしか考えられない人、将来のことを考えず目先のバラまきをしてくれる政党を支持する人が更に増え、その時流に乗って政権交代が起こりました。
ですがよく考えてみてください。政治とは所詮、予算をどこのどのように配分するかの調整役でしかないのです。ある政党が自分にとって好都合な政策を実行してくれたら、その分誰かにとっては不都合なのです。ある政党が政権をとったら、誰も痛い思いをせず、国民全体にばら撒く予算がどこから沸き出てくる訳ではありません。日本にはそれをわかっていない人(もしくは確信犯)が多く、皆が好き勝手に予算にたかり、票がほしい政治家はそれに応え、その結果世界でも類を見ないほど国債発行比率の高い国となりました。団塊以上の世代は自分たちが得をするためのツケを後世にまわし、その結果、現在日本人の富の多くは60代以降に集中しています。そしてその世代が貪欲にも、自分たちが日本の高度成長を支えたのに冷遇されていると主張しています。私はこれだけの好条件下にあって現在生活に困窮している高齢者には自己責任(何も考えず朝から晩まで一生懸命働いてきたのでは?)という言葉しか浮かびませんし、追い詰められた若い世代の貧困層はますます自分のことしか考えられなくなり、日本人全体の民度が中国化していると感じるのです。将来、日本製品を安心して買えない日が来るかもしれません。
かつて田中角栄という政治家がいました。私はこの人のことを天才だと思っています。彼の選挙での第一声は「日本アルプスを削って雪雲が太平洋側に抜けるようにし、新潟を雪の降らない国にしましょう。余った土砂で日本海に埋め立て地を作り、新潟をもっと豊かな地域にしましょう」という趣旨のものでした。土建政治家、地元への利益誘致型の典型的な自民党政治家の走りとも言うべき彼の個性が端的に現れた演説ですが、そのあまりにも突拍子のない夢物語に共感する人々が彼に投票したのです。現在でも日本は、GNPに占める公共事業の比率は世界トップクラス、医療費の比率は世界最低クラスですが、そこには田中角栄という人物、そして自民党政権が大きく関わっていたと思います。そして現在の医療崩壊は、今の高齢者層が多くの公共事業を望む傍らで知らない間に切り捨ててきたものが顕在化しただけだと思っています。介護難民、リハビリ難民という言葉を耳にしますが、かつて選挙で低医療費政策を(知らず知らずに)選択した高齢者世代が文句を言うのは筋違いだと思うのは私だけでしょうか?
ともあれ、田中角栄という人物は人心をつかみ、利益誘致をする天才でした。官僚を使うのも上手で、「私は小学校しか出ていないからこんな難しい表現は分からない」と言って、官僚のプライドをくすぐりながら一般の国民にも分かりやすい表現の答弁書を用意させたそうです。そしてその天才の所業を間近で学びとったのが、現在の小沢幹事長です。彼について述べる前に2つのエピソードを紹介しましょう。
一つ目はサダム・フセインがイラク大統領に就任したときのこと。最初の演説で自分に協力してくれた議員を褒め称える一方で、敵対派の議員を1人ずつ名指しすると、警察が彼らを連れ出して行き、二度と戻ってきませんでした。残された人たちはただただ硬直してフセイン大統領の演説に拍手を送るしかありませんでした。
二つ目はアドルフ・ヒットラーの言葉。
・大衆は小さな嘘より大きな嘘の犠牲になりやすい。とりわけそれが何度も繰り返されたならば。
・青少年に判断力や批判力を与える必要は無い。娯楽と競争意識だけを与えればよいのだ。青少年から思考力を奪い、指導者の命令に対する服従心だけを植え付けるべきだ。国家や社会や指導者を批判する者に対して動物的な憎悪を抱かせるようにせよ。少数派や異端者は悪だ、と思い込ませよ
いずれも独裁者の姿を端的に現しています。
民主党幹事長に就任した小沢氏は、党に関するほぼすべての権限を手に入れました。選挙での公認も彼の意向が大きく働き、小沢氏に嫌われると公認から外されるという恐怖を感じた議員たちは、ただただ硬直して彼の演説に拍手を送るしかありません。
これまで医療費の改定は、医科と歯科で同水準の増減を繰り返すのが通例でした。しかし政権交代後に民主党詣でをした日本歯科医師会と、それをしなかった日本医師会の差なのかは分かりませんが、小沢氏から鳩山首相に「国民の要望」として提出された中には医療崩壊を防ぐための医療費増額(特に歯科)とされており、実際にこの4月からの医療費改定では医科よりも歯科の増加率が高くなっています。その他の業界でも民主党詣でをしなかったところは冷遇され、与党議員との面談も叶わず、民主党に擦り寄らざるを得ない圧力をかけられている状況です。
雑用は表の顔である鳩山首相にすべて任せ、すべての権限が小沢氏に集中している現状で、私の目には小沢氏こそファッショの最たるものと映るのですが、小沢氏自身は「検察ファッショと戦う国民目線の議員」というイメージを国民に与えようとして、壮大な嘘を何度も繰り返しているように見えます。さすがに世論調査でも多くの反感を買い、任意聴取に応じる姿勢を示したようですが。
私は、自分のことを考えるだけで精一杯になった現在の日本に、フセインやヒトラーのエピソードを連想させる国会議員がいることに正直なところ不安を感じます。これが私の杞憂であれば良いのですが。
日本が中国のように言論の自由のない一党独裁国家にならないことを切に祈っております。
ところで先日、瀋陽旅行記で朝鮮中央放送についてご紹介しました。北朝鮮では、一部の知的階級層を除いた多くの国民は、今でも金正日将軍のことを優れた指導者だと思っています。テレビを見ても、新聞を見ても、金正日将軍の業績を褒め称える内容に満ち溢れているのですから当然です。
ここで質問です。あなたがもし北朝鮮に生まれていたら、あなたは金正日将軍のことをどう思っていたでしょうか?
普段テレビニュースや新聞を見て何の考察もなしにそれを真に受ける人たちは、間違いなく心の底から「金正日将軍、マンセー」と叫んでいたことでしょう。テレビニュースや新聞を作る人の立場になって、彼らがどんな情報を伝えたがり、どんな情報を隠したがっているのかを考えられる人だけが、「ひょっとして金正日という独裁者がいるからこの国は貧しいのでは?」と考えられる人です。もちろん(このブログを含め)インターネット上で個人が開示した文章は、テレビニュースや新聞以上に嘘に満ち溢れています。2チャンネルの開設者、ひろゆき氏が「嘘を嘘であると見抜けない人にはインターネットを使いこなすことは難しい」と言っていましたが、その慧眼に私はただ感服するばかりです。私も以前「情報は金なり」と書きましたが、正しい情報とは簡単に入手できない、あるいは考えに考え抜いて自分で気づくしかないからこそ、大きな価値を生み出すのです。
中国の将来ですが、中国人にとっては明るいものになると予測しています。中国人の我が侭に対して強く抗議できる国もなく、世界最大の強国となるでしょう。人口面ではインドも中国と並ぶ大国ですが、残念ながらインド人の低所得層は中国人以上に信用できないのです。英語のできる優秀なプログラマー、SEを輩出する貧しい途上国という現状からの脱却は容易ではないと思います。
元々日本は徳川幕府、大日本帝国の時代を経て、主君のため、国のために尽くすことを是とする国民性が醸造されてきました。滅私と言う言葉もあり、良くも悪くも全体主義的であり、その中で一致団結した強さを発揮するのが日本という国でした。その意味で、会社という組織に尽くす終身雇用制は日本人に非常になじんでいたと思います。
対する中国は個人主義で我が侭。「上に政策あれば、下に対策あり」という言葉があり、役人が自分に都合の良い政策を打ち出せば、庶民がそれに対する対策を打ち出す、いわば各個人が好き勝手にふるまうのが中国流です。「自分さえ良ければそれで良い」という国民性の国家に共産主義という概念を持ち込んだため、自分のためにならない(国全体のための)努力をする人はほとんどいなくなり、建国後長い間、足踏みをして来ました。それが政策の変換によって「先に豊かになれるものから豊かになろう」という資本主義の社会にかわり、人民が自分のためだけの努力をするようになり、この10年ちょっとの間に目覚しく経済が発展したのはご存知のとおりです。
ただ、経済大国となった現在も「信用できない国」という印象は変わりません。学級委員ではなく、自分勝手なガキ大将というイメージです。中国では、どこにでもすぐタンを吐く、行列は1列ではなくて同心円状に並ぶ、割り込む、と言う風景が当たり前です。人民の大多数は民度が低く、日本や欧米に留学する知的階層の中国人の中には、大多数の中国人を自分と同じ国民だと思ってほしくないと考える人もいます。
そのような国ですので、食品や医薬品は毒入りだろうが何だろうが売れれば良いという考えがまかり通っています。食品工場で働く中国人は自社製品を食べないと聞いたことがあります。中国人は自国の医薬品を信用していないので、日本に来ると薬局に立ち寄り、日本製の医薬品をお土産として山のように買って帰ります。ですが大事な客人を丁寧にもてなすという文化も併せ持っているため、高級レストランに行けば安全で信頼できる料理を食べることもできます。もっとも「大事な客人」とみなされなければその限りではありませんが…
このような国民性をもつ中国ですが、私は最近こう感じています。中国は急速に日本のような豊かな国になりつつあり、日本は急速に中国のような民度の低い国になりつつある、と。いわば中国の日本化、日本の中国化です。
話は変わりますが、世界中どこの国にも富豪と呼ばれる人たちがいます。現在ロシアで富豪とされる人たちは主に40代です。20年ほど前にソ連が崩壊するまでは彼らもごく平凡な庶民だったのですが、それがわずかな間にどうして富豪になったか、みなさんはご存知ですか?
ソ連崩壊時、ロシアは旧国有企業の株券を発行して国民に配りました。しかし社会主義に慣れ親しんだ人たちにとって、それは意味の分からない紙切れに過ぎませんでした。その中でいち早く株式の理屈、資本主義社会の仕組みを理解した一部の人たちが、その日の自分の食料と他人が持つ株券を交換したのです。多くの人が目先の食料にとびついたため、彼らは短期間にして多くの株式を集めることができました。こうして瞬く間に大株主となった彼らは、富豪への道をひた走りました。
私はこのブログの最初に、給与所得者がその収入を増やすためには朝から晩まで一生懸命働いてはいけないと書きました。それは(将来の所得を増やすために今何をすべきかという)長期ビジョンのない、思慮の浅い人間の行為だからです。もし彼らがロシアに生まれていたら、今日の食事と引き換えに喜んで手持ちの株を手放したことでしょう。とても近視眼的な行為ですが、残念ながら昔から日本では(特に低所得層で)長期ビジョンや自立心のない人が多く、最近ますます増えてきたように思います。
小泉改革、市場原理主義によって良くも悪くも一部社会主義的であった日本が競争社会にひた走り、取り残された人たちには今日のことを考えるのが精いっぱいになったという事情は分かります。特に不幸であったのは、日本は地勢的に中国ととても近かったと言うことです。国境の垣根を越えた国際市場に放り出された日本では、これまで日本人労働者が行ってきた単純作業を、はるかに労働単価の安い中国へと移譲することが容易でした。その結果、単純労働者の雇用情勢はますます厳しいなり、今日の自分のことしか考えられない人、将来のことを考えず目先のバラまきをしてくれる政党を支持する人が更に増え、その時流に乗って政権交代が起こりました。
ですがよく考えてみてください。政治とは所詮、予算をどこのどのように配分するかの調整役でしかないのです。ある政党が自分にとって好都合な政策を実行してくれたら、その分誰かにとっては不都合なのです。ある政党が政権をとったら、誰も痛い思いをせず、国民全体にばら撒く予算がどこから沸き出てくる訳ではありません。日本にはそれをわかっていない人(もしくは確信犯)が多く、皆が好き勝手に予算にたかり、票がほしい政治家はそれに応え、その結果世界でも類を見ないほど国債発行比率の高い国となりました。団塊以上の世代は自分たちが得をするためのツケを後世にまわし、その結果、現在日本人の富の多くは60代以降に集中しています。そしてその世代が貪欲にも、自分たちが日本の高度成長を支えたのに冷遇されていると主張しています。私はこれだけの好条件下にあって現在生活に困窮している高齢者には自己責任(何も考えず朝から晩まで一生懸命働いてきたのでは?)という言葉しか浮かびませんし、追い詰められた若い世代の貧困層はますます自分のことしか考えられなくなり、日本人全体の民度が中国化していると感じるのです。将来、日本製品を安心して買えない日が来るかもしれません。
かつて田中角栄という政治家がいました。私はこの人のことを天才だと思っています。彼の選挙での第一声は「日本アルプスを削って雪雲が太平洋側に抜けるようにし、新潟を雪の降らない国にしましょう。余った土砂で日本海に埋め立て地を作り、新潟をもっと豊かな地域にしましょう」という趣旨のものでした。土建政治家、地元への利益誘致型の典型的な自民党政治家の走りとも言うべき彼の個性が端的に現れた演説ですが、そのあまりにも突拍子のない夢物語に共感する人々が彼に投票したのです。現在でも日本は、GNPに占める公共事業の比率は世界トップクラス、医療費の比率は世界最低クラスですが、そこには田中角栄という人物、そして自民党政権が大きく関わっていたと思います。そして現在の医療崩壊は、今の高齢者層が多くの公共事業を望む傍らで知らない間に切り捨ててきたものが顕在化しただけだと思っています。介護難民、リハビリ難民という言葉を耳にしますが、かつて選挙で低医療費政策を(知らず知らずに)選択した高齢者世代が文句を言うのは筋違いだと思うのは私だけでしょうか?
ともあれ、田中角栄という人物は人心をつかみ、利益誘致をする天才でした。官僚を使うのも上手で、「私は小学校しか出ていないからこんな難しい表現は分からない」と言って、官僚のプライドをくすぐりながら一般の国民にも分かりやすい表現の答弁書を用意させたそうです。そしてその天才の所業を間近で学びとったのが、現在の小沢幹事長です。彼について述べる前に2つのエピソードを紹介しましょう。
一つ目はサダム・フセインがイラク大統領に就任したときのこと。最初の演説で自分に協力してくれた議員を褒め称える一方で、敵対派の議員を1人ずつ名指しすると、警察が彼らを連れ出して行き、二度と戻ってきませんでした。残された人たちはただただ硬直してフセイン大統領の演説に拍手を送るしかありませんでした。
二つ目はアドルフ・ヒットラーの言葉。
・大衆は小さな嘘より大きな嘘の犠牲になりやすい。とりわけそれが何度も繰り返されたならば。
・青少年に判断力や批判力を与える必要は無い。娯楽と競争意識だけを与えればよいのだ。青少年から思考力を奪い、指導者の命令に対する服従心だけを植え付けるべきだ。国家や社会や指導者を批判する者に対して動物的な憎悪を抱かせるようにせよ。少数派や異端者は悪だ、と思い込ませよ
いずれも独裁者の姿を端的に現しています。
民主党幹事長に就任した小沢氏は、党に関するほぼすべての権限を手に入れました。選挙での公認も彼の意向が大きく働き、小沢氏に嫌われると公認から外されるという恐怖を感じた議員たちは、ただただ硬直して彼の演説に拍手を送るしかありません。
これまで医療費の改定は、医科と歯科で同水準の増減を繰り返すのが通例でした。しかし政権交代後に民主党詣でをした日本歯科医師会と、それをしなかった日本医師会の差なのかは分かりませんが、小沢氏から鳩山首相に「国民の要望」として提出された中には医療崩壊を防ぐための医療費増額(特に歯科)とされており、実際にこの4月からの医療費改定では医科よりも歯科の増加率が高くなっています。その他の業界でも民主党詣でをしなかったところは冷遇され、与党議員との面談も叶わず、民主党に擦り寄らざるを得ない圧力をかけられている状況です。
雑用は表の顔である鳩山首相にすべて任せ、すべての権限が小沢氏に集中している現状で、私の目には小沢氏こそファッショの最たるものと映るのですが、小沢氏自身は「検察ファッショと戦う国民目線の議員」というイメージを国民に与えようとして、壮大な嘘を何度も繰り返しているように見えます。さすがに世論調査でも多くの反感を買い、任意聴取に応じる姿勢を示したようですが。
私は、自分のことを考えるだけで精一杯になった現在の日本に、フセインやヒトラーのエピソードを連想させる国会議員がいることに正直なところ不安を感じます。これが私の杞憂であれば良いのですが。
日本が中国のように言論の自由のない一党独裁国家にならないことを切に祈っております。
ところで先日、瀋陽旅行記で朝鮮中央放送についてご紹介しました。北朝鮮では、一部の知的階級層を除いた多くの国民は、今でも金正日将軍のことを優れた指導者だと思っています。テレビを見ても、新聞を見ても、金正日将軍の業績を褒め称える内容に満ち溢れているのですから当然です。
ここで質問です。あなたがもし北朝鮮に生まれていたら、あなたは金正日将軍のことをどう思っていたでしょうか?
普段テレビニュースや新聞を見て何の考察もなしにそれを真に受ける人たちは、間違いなく心の底から「金正日将軍、マンセー」と叫んでいたことでしょう。テレビニュースや新聞を作る人の立場になって、彼らがどんな情報を伝えたがり、どんな情報を隠したがっているのかを考えられる人だけが、「ひょっとして金正日という独裁者がいるからこの国は貧しいのでは?」と考えられる人です。もちろん(このブログを含め)インターネット上で個人が開示した文章は、テレビニュースや新聞以上に嘘に満ち溢れています。2チャンネルの開設者、ひろゆき氏が「嘘を嘘であると見抜けない人にはインターネットを使いこなすことは難しい」と言っていましたが、その慧眼に私はただ感服するばかりです。私も以前「情報は金なり」と書きましたが、正しい情報とは簡単に入手できない、あるいは考えに考え抜いて自分で気づくしかないからこそ、大きな価値を生み出すのです。
中国の将来ですが、中国人にとっては明るいものになると予測しています。中国人の我が侭に対して強く抗議できる国もなく、世界最大の強国となるでしょう。人口面ではインドも中国と並ぶ大国ですが、残念ながらインド人の低所得層は中国人以上に信用できないのです。英語のできる優秀なプログラマー、SEを輩出する貧しい途上国という現状からの脱却は容易ではないと思います。
中国にさまざまな問題を抱えていること、指摘の通りです。私も同感です。一方、今まで進めてきた日中経済交流の成果を、ひとつ岩みたいな小さい島のために流され、心が痛い。
私ブログにご意見を待っています。
by 日中金論 (2012-10-15 11:22)