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タイムパラドックスが生じない理由 [雑談]

最近、理論物理学に関するブログ記事で質問のメールをもらい、分かりやすく解説するためにもう一度まとめなおしてみました。せっかくなので公開しておきます。
なお、本文では丁寧語は使っていません。どこまでがコンセンサスの得られた内容で、どこからが私のオリジナルアイデアか分かるように心がけました。


IMG_4372.JPG
図1
観測者(太郎)自身の時空図。
空間軸は水平で、時間軸は垂直である。
光速はすべての時空図で必ず45度の傾き(赤線)になる。


IMG_4373.JPG
図2
太郎から見て、光速の半分の速さで移動している相手(花子)の時空図。
1秒×30万Kmの面積は常に一定のまま、空間軸と時間軸が45度の傾き(赤線)に近づいていく。
ただし花子自身にとっての時空図は図1と同じになる。
図1の座標系を図2の座標系に変換するのが高校数学に出てくる行列であり、図2の座標系を図1の座標系に戻すのが逆行列である。

光速になると時間軸と空間軸が45度の傾きに収束してしまい、時空図が1次元になってしまう。
こうなると元の二次元座標には戻せなくなってしまう。
いわゆる逆行列がない状態。
(特殊相対性理論の基礎)

それでは光速を超えたら時空図はどうなるのか?
光速で時間軸と空間軸が重なった後、空間軸はそのまま垂直方向に向かい、時間軸は水平方向に向かうのではないか?
つまり図2の時間軸と空間軸が入れ替わった状態になるのではないか?
これはすなわち、光速を超えたら時間と空間が入れ替わることを意味している。
(自分が高校1年生の時に考えたこと)

光速を超えたら時間と空間が入れ替わる(30万Kmが1秒になり、1秒が30万Kmになる)なら、光速のA倍と1/A倍は等価になるはずである。
相対性理論の速度合成の公式で、光速のA倍とB倍を合成したものは、光速の1/A倍と1/B倍を合成したものと同じになるはずである。
ちなみに速度は距離/時間(つまり空間/時間)なので、こちらの世界での光速の2倍(60万Kmを1秒で進む)は、時間と空間が入れ替わった超光速の世界での光速の1/2倍(2秒で30万Kmを進む)に該当する。
(上から導き出した仮説)

両者は同じになった。
(相対性理論の公式で計算した結果)

光速を超えると、時間、長さ、重さはすべて虚数になる。
(同じく相対性理論の公式で計算した結果)

光速を超えたら時間と空間は入れ替わる。
光速の壁の向こうにいる住人は、我々の空間を時間として認識し、我々の時間を空間として認識している。
光速の壁の向こうにいる住人にとって、我々は空間を時間として認識し、時間を空間として認識している。
(導き出された結論その1)

しかしお互いに相手の世界は虚数の存在になるため、相互干渉はできないと思われる。
こちらの世界の物質と光速の壁の向こう側にある物質の間に働く万有引力も虚数になる。
双方の世界で情報交換をする方法は存在しないであろう。
こちらの世界には物質が多く、反物質が少ない。もしかしたら光速の壁の向こう側には反物質が多く、物質は少ないのかもしれない。
(導き出された結論その1 補足)

すべての静止系観測者は、自分は止まっていると主張する権利を有している。
光速の壁の向こう側にいる住人もまた、自分は止まっていると主張する権利を有しているはずである。
(相対性理論の基本的考え方)

我々の世界と光速の壁の向こう側の世界に優劣の差はなく、等価であろう。一見しても見分けがつかず、同じ物理法則が働く、同じような世界なのではないか?
我々の世界で空間が3次元以上あるなら、光速の壁の向こう側の世界でも空間(我々にとっての時間)が3次元以上あるはずである。
(両方の世界が等価であれば、当然の帰結)

空間の次元数=時間の次元数=3次元以上である。
超ひも理論で時間+空間=10次元であるというなら、時間=空間=5次元である。
(導き出された結論その2)

超ひも理論の最有力候補であるM理論では、この宇宙は時空10次元+小さな次元の11次元だとされる。
上記の宇宙モデルでも、時空10次元+どちらの宇宙にいるかを示す小さな次元の11次元が必要になる。
(単なる偶然かも)


ブラックホールの表面(事象の地平線)では時間が止まり、光すらもそこから逃げられず、その場に静止している状態になる。それより内側では光すら内部へと引き込まれてしまう。
ブラックホールの内部では、光ですら一定方向にしか動けない。つまり空間が時間的にふるまう(我々が時間軸を過去から未来に向かってしか動けないのと同じ状況)。
(一般的に言われていること)

重力と加速度は等価である。
(一般相対性理論の基礎)

ブラックホールの表面は光速と等価であり、その内側は光速の壁の向こう側の世界と等価なのでは?
(個人的な仮説)

ブラックホールの内側(光速の壁の向こう側の世界)では、重力のせいで光は空間的に(向こう側の世界では時間的に)一定方向にしか動けない。
光速の壁の向こう側の世界では、重力のせいで光は時間的に一定方向にしか動けない。
つまり我々の世界でも、重力のせいで光は時間的に一定方向(過去から未来)にしか動けないことになる。
重力は、光を過去から未来へと動かす力である。
(両方の世界が区別のつかないものであれば、当然の帰結)

時間の流れをつかさどるのは重力である。
(導き出された結論その3)

多くの理論物理学者が時間を複数次元だと考えることを嫌うのは、その場合に時間の流れがどう決まるか分からないからだと聞いている。しかしその懸念もなくなった。
重力はミクロの世界で時間的、空間的に複数の次元に拡散するため、我々が日常で体感する重力は他の3つの力(電磁力、強い力、弱い力)より極端に弱くなっている。
(自分の考えが正しければ、いろいろな懸念や疑問がまとめて解消される)

シュレーディンガーの猫と呼ばれる「2つの状態が重なり合った状態」が存在し、それは実験系でも確かめられている。量子コンピューターはその原理の応用である。
(世間で知られている事実)

時間と空間の座標をすべて指定したら、そこで起きている事象は一つである。
(個人的に正しいと考えている前提)

「2つの状態が重なり合った状態」は時間座標の指定が不十分だから起きるのではないか?
時間が3次元以上なら、時刻を指定する(1次元の座標系で指定する)だけでは、近接する別の歴史(猫が生きている歴史と死んだ歴史)のどちらにいるのか指定できていない。
観測が不十分で「2つの状態が重なり合った状態」に感じられるのは、目の前の観測対象がそうなっているのではなく、観測者自身が近接する別の歴史(パラレルワールド)にまたがった状態なのではないか?
(仮説)

これまで自分以外で、シュレーディンガーの猫を「観測者自身が近接する別の歴史(パラレルワールド)にまたがった状態」と解釈した人物を知らない。しかしこれが正しければ、特にパラドックスらしいパラドックスは生じない。3次元以上の時間の中に複数の歴史(1次元)が共存していても何も不都合はない。これらの歴史はすべて重力によって、過去から未来へと一定方向に(パラレルに)進んでいく。
相対性理論について考えていたら、なぜか相対性理論と相性の悪い量子論のパラドックスであるシュレーディンガーの猫が説明できてしまった。
(ここまでくると仮説が積み上がり過ぎて、いまいち自信がない)

時間が複数次元であれば、タイムパラドックスも生じない。そもそもタイムパラドックスとは、時間を1次元だと考えるくせに、その中に複数の相異なる歴史が存在すると考えるから生じる矛盾である。
しかし時間が複数次元であれば、例えば織田信長が本能寺で討たれた歴史と討たれない歴史も並行して存在し、共存できる。そしてお互いがお互いの歴史を脅かす存在にもならないので、タイムパトロールも必要ない。
(ハヤカワSFコンクールでは1次選考落ち)

時間の流れをつかさどるのが重力であるなら、複数のパラレルワールドはミクロではパラレルであったとしても、マクロでは1点に向かって収束するはずである。
(地球上のすべての物質には、ミクロな視点では下方向へのパラレルな重力が働いている。しかしマクロな視点では地球の中心部である1点に向かって重力が働き、日本とアメリカではその方向が異なる。それと同じ理屈)

すると、すべての異なる歴史は未来の世界で同じような歴史へと収束していくはずである。
(仮説を幾重にも積み上げた先の仮説だが、この宇宙の行きつく先が最大エントロピーという均一な世界だとすれば、あながち間違っていないはず。ちなみにサイクリック宇宙論によれば、これまでの宇宙はすべてビッグクランチでその生涯を閉じており、今回の宇宙が最大エントロピーで終焉を迎える初めての宇宙になるはずである)


今後もし超ひも理論の専門家と会えるなら聞いてみたいこと。
・超ひも理論のt双対性はブラックホールに適応されるのか?(個人的には宇宙最小のブラックホールの大きさがプランク長だと理解しており、ここでt双対性が成立するなら、より大きなブラックホールでも適応されるのではないかと考えている)
・超ひもの振動数の上限に関する話(これが無限大だとすれば空間は9次元になる。しかしこの宇宙に無限大は存在しないはずだし、超ひも理論自体がそもそも無限大を回避するために作られた理論である。温度も下限は絶対零度、上限はプランク温度であり、無限大の温度は存在しない。超ひもの振動数の上限は無限大だから、空間は9次元であるという証明は、どうしても腑に落ちなかった)
・ブレーン宇宙とそれを内包する次元との関係
・他の3つの力に1次元を加えると重力が出現する話
・時間=空間=5次元だと考えた場合に、超ひも理論が指し示す宇宙モデルの数はどう変化するのか?(もしこれが劇的に絞り込まれるなら、人類は究極の物理学理論である重力量子理論に一歩近づくかもしれない)


2021年3月27日
総合上飯田第一病院
脳神経内科部長・内科統括部長
医学博士 濵田健介
hmdknsk@hotmail.com


2021年6月4日 追記
超ひもは、振動数の違いによってさまざまな素粒子になるとされている。
超ひもの振動数の上限が無限大だとすれば、エネルギー状態が無限大の素粒子も存在することになり、明らかにおかしな話になってしまう。
現在、この世界には17種類の素粒子があると言われているが、その超対称性粒子も考えるなら34種類になる。それなら超ひもの振動数の上限は34なのではないかという疑問があった。
しかし超ひもは伸びやすさの他に、くっつきやすさ・切れやすさというパラメータを持っているとされる。振動数 2n-1 の超ひもをそれ以上振動させようとすると、振動数 n のひも2本に切れてしまうという特性があるとすれば、一つの素粒子が持つエネルギー状態には上限があり、超ひもの振動数の上限は奇数となるのでは?と妄想した

2021年6月27日追記
光子の質量をゼロにするために、オイラーの公式を持ちだす手法にはまだ疑念が残るが、それしか手がないことも理解した。しかし自分が考えた宇宙モデルでは、光子は空間と時間の次元からそれぞれの進行方向(空間1次元、時間1次元)を差し引いた様々な方向に振動できることになる。これが8になれば、光子の質量はゼロになるとのこと。時間と空間を足した次元数から2を引けば8になるという話であれば、空間が9次元であるという証明にはならないのではないか?
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