和歌山旅行記(16年3月):The 旅行道:So-netブログ
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和歌山旅行記(16年3月) [国内旅行記]

昨年秋から今年初めにかけて、「ふるさと割」という名のばらまき政策をやっていました。ネット上で都道府県別のバウチャーをゲットすると、宿泊料金が最大で半額になるというものです。
私も近隣県のホテルを泊まり歩き、これまでに41000円分ほど利用しました。そして今回もこれを利用し、和歌山市内のビジネスホテルを予約しました。本来なら朝食付き2泊で20700円のところ、1万円オフの10700円です。さらに今回は6000円分のクオカードをもらえるプランのため、実質4700円で済みました。
そんなわけで今回は和歌山旅行記です。
大阪までの往復は、チケットショップで仕入れた近鉄特急のデラックスシート(片道3700円)で手配しました。

旅行初日、近鉄名古屋を朝7時に出発する近鉄特急に乗り、難波で南海電鉄(高野山まで1260円)に乗り換えました。周りを見渡すと乗客の3割ほどは外人です。橋本で次の電車に乗り換えると、外国人ばかりがギュッと凝縮され、その比率は5割を上回りました。ここから電車は渓流に沿って山を登っていくのですが、なかなか旅情あふれる景観です。極楽坂に着き、ここから高野山まではケーブルカーを利用しました。ケーブルカーといえば、私は真っ先に香港を思い浮かべますが、それに比べると車内はガラガラです。ここは世界遺産へと至る緑豊かな観光路線ですが、その知名度はまだまだ高くないようです。
高野山でバスの1日フリー乗車券(830円)を買い、観光の基点とも言うべき千寿院橋へ。まずは腹ごしらえをすべく、最寄りの食堂に入ったところ、偶然にもその店の1割引き券がフリー乗車券についていました。当初は精進料理を食べるつもりでしたが、ノンベジタリアンメニューと同じボリュームで値段が倍以上するため、結局はがっつりと肉を食らいました。
そこから徒歩で壇上カランに向かい、金堂と根本大塔に入場(フリー乗車で2割引き、320円)。普通、悟りを開いた如来(仏)は現世での見栄に気を遣わなくなり、装飾品のないシンプルな装いをしていますが、ここの大日如来像は派手に着飾っていました。唐に留学した空海が開いただけあって、建造物には赤を多用する中国文化の影響が見られます。
次に高野山の美術品を集めた霊宝堂へ(フリー乗車券で2割引き、480円)。ここでは曼荼羅や仏像、そして弘法大師・空海直筆の書が展示されていました。弘法も筆の誤り、弘法筆を選ばず、など達筆の代名詞ともされるだけあって、カチっとした美しい書体でした。でも「弘法筆を選ばず」というのは多分嘘ですよね。たとえば一流の野球選手であるイチローはバットに非常にこだわりますが、仮にそこら辺の安物バットでも、客観的には充分な打率と飛距離を出せるはずです。本人がその微妙な差にこだわるプロフェッショナルであっても、素人目には「弘法筆を選ばず」に見えるだけだと思います。そこに手持ちの筆だけで何とかしようとする弘法大師の誠実さが加われば、誰の目にもそう映って然るべきです。
次は高野山の中心地とも言うべき金剛峰寺へ(フリー乗車券で2割引き、400円)。本殿は大名の屋敷のような豪奢な作りで、離れの大広間では緑茶と茶菓子のサービスがあります。白人の団体も緑茶を飲んでいました。外国では砂糖を入れないと苦くて緑茶を飲めないという人も多いのですが……。
離れのふすま画には空海の半生が描かれており、向学心あふれる若き日の留学生・空海が愛でたであう牡丹の絵が空海像の描かれた部屋に咲き乱れていました。
そこからバスに乗り、奥の院へ。木々に囲まれた小道の先に、墓地が広がっています。シロアリ会社が作ったシロアリの墓、戦没者の墓、企業の物故者の墓、そして織田信長の墓などがありました。その最奥部には空海が即身成仏すべく永遠にこもった建物があり、建前上は現在もそこで空海が読経していることになっています。
ここを見終わって15時25分発のバスに乗り、高野山駅から橋本駅まではケーブルカーと南海電鉄(830円)、そこからはJR(830円)を使用し、18時20分前に和歌山市駅に到着しました。和歌山市のグルメと言われてもピンとくるものがなく、まっぷるに載っている店でラーメンを食べてから、ホテルにチェックインしました。

2日目、9時前にホテルを出発し、和歌山城(410円)に向かいました。ここは徳川御三家の一つ、紀州徳川家の根城です。八代将軍、徳川吉宗も元はここの領主でした。城門をくぐると、ちょうど桜のつぼみが緩みかけており、青空にそびえ立つ天守閣に彩りを添えていました。外観は美麗ですが、太平洋戦争で焼失して戦後に再建されたため、内部は紀州徳川家ゆかりの品を展示した博物館のような作りになっています。なお最上階からは森と海に囲まれた和歌山の町並みを一望できました。
隣にある和歌山県立博物館(280円)にも足を伸ばし、古代から現代に至る和歌山の歴史をメインにした展示を見終えると、時刻は正午前でした。
近くの和歌山ラーメンの店で昼食をとり、市内バス(230円)でJR和歌山駅へ。ここから、和歌山電鉄という一度は破綻しかけたローカル路線が伸びています。そしてそれを救ったのが一匹の猫、スーパー駅長の「たま」でした。
たまは昨年死亡し、現在はそれを継いだ2世ことニタマがスーパー駅長をしています。そしてそのスーパー駅長に会うため、多くの人が和歌山電鉄に乗ってその終着駅である貴志駅に向かうのです。私も1日乗車券(720円)を買い、13時半の電車で貴志駅に向かうことにしました。ホームに入ってきた電車はたまたま「たま電車」で、外装も内装もたまのイラストで溢れていました。乗車率は100%近く、中国人団体客の姿もあります。窓の外には何の変哲もない、ひなびた田舎の景色が広がっていました。
30分ほどで貴志駅に着くと、駅舎にはガラスケースに入ったニタマが寝そべっており、多くの人が写真を撮っていました。ここには猫カフェと猫グッズの売店もあり、駅舎そのものも猫の顔のような形をしています。昨年死亡したたまは、たま大明神としてホームに祀られていました。周囲にはたいした店もなく、本当にスーパー駅長の知名度だけで観光客が押し寄せてくる場所でした。
たしかに、たまは和歌山電鉄の救世主だったのでしょう。可愛い猫が実はスーパー駅長、言うなればギャップ萌えです。この手法を思いついた和歌山電鉄社長のセンスには感嘆するしかありません。人間の小学生くらいの女の子でもこの手法は通用するのではないかと考えていて、ふとネパールのクマリを思い出しました。初潮前の女の子が神の使いであるクマリとして代々任命され、その前ではかつて国王すらひれ伏したそうです。
貴志駅で30分ほど滞在し、帰りは普通の電車に乗って和歌山駅に帰ってきました。時刻は15時過ぎで、これ以上どこかに出かける時間もありません。田舎の観光地は17時までに閉まるところが多いのです。駅ビル周辺を散策し、ホテルまで徒歩で帰る道すがら、和歌山ラーメンの店に入って早めの夕食をすませました。
なお翌日はバスに乗って和歌山県立自然博物館に行く予定です。往復の乗車券より1日乗車券のほうが安いので、下見を兼ねて和歌山市駅に向かい、前もって1日乗車券を買っておきました。

3日目、8時半にホテルをチェックアウトし、8時49分のバスで和歌山県立自然博物館のある琴の浦に向かいました。まずは隣にある温山荘園(重要文化財の日本庭園、400円)に入場。ここは平たく言えば、明治時代の富豪(ニッタ株式会社の創業者)が作った別荘です。マイペースで庭園を見て、写真を撮れれば良かったのですが、入場者が私一人しかいないこともあって、管理者の人がつきっきりで蘊蓄を披露してくれました。創業者の人間関係とか、庭園内の茶室で開かれる茶会の先生がどこから来るとか、まったく興味のない話題も多くて疲れました。
その修行のような時間を終え、次は自然博物館(470円)へ。ここは動植物のはく製や昆虫の標本、化石、鉱石を展示したゾーンと水族館ゾーンの2つに分かれています。どちらも和歌山に関係した展示ばかりですが、黒潮の海に泳ぐ魚が回遊する大水槽はそれなりに見ごたえがあります。沖縄の美ら海水族館と比べて1/4の入場料なら、まあ損はしません。
その後バスに乗って和歌山市駅の近くまで戻り、和歌山ラーメンの店に入りました。今回の旅行中、4回それぞれ別の店に入ったのですが、ざっくりと言えば醤油とんこつ系です。
和歌山市駅向かいの自販機で790円の格安切符を買って南海電鉄で難波に向かい、そこから近鉄特急で名古屋に帰ってきました。
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