瀋陽旅行記(10年1月):The 旅行道:So-netブログ
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瀋陽旅行記(10年1月) [海外旅行記]

今月は瀋陽旅行に行ってきました。なぜ瀋陽なのかと言われたら、そこにJALマイルがあったからです。
 JALマイルを使う必要性に迫られ、キャンペーンを利用して17000マイルで瀋陽行き航空券と引き換えました。これまでにソウル、釜山、上海、北京、天津、広州、青島、大連、杭州、アモイ、香港、台北、高雄、マニラ、バンコク、クアラルンプール、シンガポール、ハノイ、ホーチミン、ジャカルタ、デンパサール(バリ島)、デリーには行ったことがあり、JALで行けるアジア内の渡航先でまだ唯一行っていないのが瀋陽でした。そんなわけで後付けになりましたが、今回の旅の目的は世界遺産の瀋陽故宮、昭陵、福陵に行くこと、そして北朝鮮が出資する七宝山ホテル(4つ星、chinahotel.jpで朝食付き一泊198元)に泊まることです。

 1月9日、プライオリティパスでセントレアのスターアライアンスラウンジに入り、サンドウィッチの朝食。そこで新聞を読み、JALの法的整理が濃厚になったことを知りました。その後、8:45発のJL8405便で成田に飛びましたが、幸いにもビジネスクラスシートの多い機材であり、ビジネスクラスシートに当たりました。成田空港ではヤフーラウンジでインターネットをしながら時間をつぶし、13:25発の中国南方航空とのコードシェア便で瀋陽へ。個人的には同じ中国系でも中国国際航空の機内食のほうが好みでした。
 瀋陽には定刻より少し遅れて15:46(現地時刻)に到着。気温は氷点下8度とのことであり、あたり一面真っ白でした。瀋陽空港は比較的小さく、飛行機の前方通路側の席を取り、荷物はすべて機内持込でしたので、16時5分発の市内行きリムジンバス(15元)に間に合いました。バスの終点は市内から空港へのリムジンバス乗り場(地球の歩き方「大連・瀋陽・ハルビン」08~09年参照)である馬路湾航空券売り場から南東に200メートルほど離れたところでした。そこから七宝山ホテルへは徒歩で行きました。
 ホテルに入ったすぐ正面にフロントがあり、そこにはいかにも北朝鮮的な画風で七宝山の壁画が描かれていました。また入り口の右手にはお土産物屋があり、北朝鮮グッズが売られていました。
 キタ━━< `∀´>━━!!!!!
 と私のテンションはアップしまくりです。ホテルの部屋は木目調の落ち着いた雰囲気で、日本のシティホテルの部屋と言われても何の違和感もない作りでした。部屋ではインターネット接続ができるとのことであり、LANケーブルもありましたが、なぜか私のパソコンでは接続できませんでした。
ところでこのホテル、部屋のテレビで朝鮮中央放送が見られるのです。あの有名な女性アナウンサーが勇ましい声で「キームジョンイル(キにアクセント)ドンジゲセレン(と聞こえました)何たらかんたら」と言っているあれです。これを見られるだけで瀋陽に来た甲斐があったというものです(?)。日本では金正日将軍のニュースを読み上げるあの勇ましい声ばかりが有名ですが、実はゆったりした音楽をバックに声を震わせながら優しく語り掛けるような口調も上手でした。さすがは北朝鮮随一のアナウンサーだと感心しました。
その他の番組もいくつかご紹介します。
・工場現場で働く顔や服がすすけた人たちが登場するドラマ
・寒空の中で1000人くらいの大集会があり、お偉いさんが「金正日将軍、マンセー」と言うと、全員が両手を挙げて「マンセー、マンセー」と繰り返す場面の報道
・全員が軍服を着たオペラ
・勇ましい音楽をバックに、日本の高度成長期を思わせる重厚長大で時代遅れに見える工場設備の紹介
・スコップ片手に大勢で土木工事をする現場の報道(重機は一切ありません)
 以上のような番組が夕方から夜にわたって毎日6時間だけ流れているのですが、チャンネルを変えると華やかな衣装を着た女性やお笑い系タレントの登場する中国のバラエティ番組が流れていました。
 その日は朝鮮中央放送を見たかったので、夕食はホテル近くのファミレスに入り、トンカツと目玉焼き、ご飯、野菜のワンプレートディッシュ(18元)で済ませ、スーパーマーケット(超市)でミネラルウォーターとハルビンビールを買って帰りました。
 ここで旅行医学(というか食の安全)ネタを少々。以前、北京では年間に1億本のミネラルウォーターが工場から出荷され、2億本が売られていると言う記事を読んだことがあります。これが本当なら、中国で売られているミネラルウォーターの半分は水道水を詰め合わせただけの偽者ということになりますが、皆さんはそれをどうやって見分けますか?
 私は自分が偽ミネラルウォーター業者の立場だったらと考えました。どうせなら高く売れる偽ミネラルウォーターを作りたいですし、ペットボトルの本体に製造年月日が入ったものではボトルの再利用が難しいと思いました。また作った偽物を日系や欧米系の大手販売業者に卸すことは難しいでしょう。
そうであれば、サークルK、ジャスコ、カルフール、ウォルマートなどの日系や欧米系の大手業者で、できるだけ安く、ペットボトル本体に日付が入ったもの(しかも複数本に同じ日付が入っているもの)を買えば、偽者をつかまされる可能性が低そうです。あくまで参考意見に過ぎませんが。

翌10日は、朝7時半に起き、ホテルで朝食を摂って9時過ぎに出発しました。
まずはタクシーで世界遺産の福陵(東陵)へ(タクシー36元、入場料30元、遺物珍品展10元)。これは清の太祖ヌルハチの陵墓とのことです。いくつもの門を越えた先に本殿があり、更にその後ろには円墳らしき丸い山がありましたが、私の一番の感想は「寒い」でした。
福陵から流しのタクシーに乗り、やはり世界遺産の昭陵(北陵)へ(タクシー33元、北陵公園入場料6元、昭陵入場料30元)。こちらは清の2代皇帝ホンタイジの陵墓とのことで、池が凍ってスケート場になった北陵公園の中を延々と歩いた先にありました。こちらもいくつもの門を越えた先に本殿があり、更にその後ろには円墳らしき丸い山がありましたが、私の一番の感想は「寒い」でした。瀋陽の世界遺産は、北京の故宮や明の十三陵、万里の長城を見たことがあれば少し物足りなく思えるかもしれません。
福陵の前でタクシーに乗り、今度は世界遺産・瀋陽故宮へ(タクシー15元、入場料50元)。北京の故宮には9999.5の部屋があるそうですが(神様の宮殿には1万の部屋があるとされ、それに少しだけ譲歩して9999.5部屋とのこと。小数点以下の意味は不明です)、それに比べるとかなり小さな常識サイズの宮殿です。ここもあまり印象には残りませんでした。
その頃にはだいぶ寒さが身にこたえていましたので、瀋陽故宮のすぐ北にある巨大ショッピングセンターに入り、そこで遅めの昼食を摂りました。メニューは牛肉炒飯(12元)と冷麺(5元)でした。
その後、家電フロアに行きました。液晶テレビ売り場では日本勢(ソニー、シャープ、日立)、韓国勢(サムスン、LG)、中国勢と思しき漢字表記のメーカー数社がそれぞれブースを出していました。30~40インチのものが数多く展示されていましたが、大体の印象として、日本勢の価格を100とすると、韓国勢は90、中国勢は75といったところ。画質は日本勢とサムスンがトップクラス、半歩遅れてLG、中国勢はやや鮮やかさにかける印象でした。しかし単独で見た場合には中国製品も十分に高画質であり、決して侮れないと感じました。
私が初めて中国を訪れたのは11年前。大通りを無数の自転車が行きかい、重機を入れたら失業者が出ると言う理由で、多くの人がスコップを持って土木工事をしていました。その時はこんな効率の悪いことをしていたら永遠に途上国のままだと思っていたのですが、今はすっかり様変わりしました。
時間は午後3時半と早かったのですが、氷点下の町をこれ以上歩く気にもなれず、タクシーでホテルに帰って来ました(9元)。通常ホテルのフロントには名刺大のホテルカードが置いてありますので、チェックイン時に1枚もらっておけば、ホテルへの帰りはそのカードを見せるだけで済みます。なお、各観光地に行くときは地球の歩き方に書いてある中国表記をドライバーに見せました。
その日もホテルの部屋で朝鮮中央放送を見て過ごし、夕食時間になったので2階にある北朝鮮レストランに行きました。本来、そこでは北朝鮮出身の従業員が歌や踊りを披露しているらしいのですが、あいにく当日は交通銀行の新年会で貸し切りとなっていました。北朝鮮のバッジを付けてチマチョゴリを着た女性は、レストラン入り口で”One person”という私に首を横に振り、私は3階に案内されました。そこは朝食会場にもなっている広いレストラン。テレビの電源を付けてもらい、1人ぽつんと夕食を摂る羽目になりました。その日私が頼んだメニューは、豚肉の細切れが入った透明なゼリーの薄切り(15元)、青菜炒め(22元)、回鍋肉(ホイコーロー)の野菜だけを鍋で煮込んだもの(26元)、直径9センチほどの中華風パンケーキ(2枚で4元)でした。
その後売店で、金正日将軍と故・金日成主席の顔写真が入った切手アルバム(10元)、北朝鮮の良い子が見る、動物のキャラクターが主人公の戦争ものアニメのビデオCD(30元)を買いました。アニメでは川を隔てた敵陣に攻め込むべくトンネルを掘るシーンが出てきます。北朝鮮と韓国の国境付近には第3トンネルと呼ばれる北朝鮮から韓国に向けて掘ったトンネルがあり、韓国側に発見されて今では観光地になっていますが、私はそれを思い出しました。
その後部屋に戻り、朝鮮中央放送を見て過ごしました。

翌11日、朝6時半から朝食を摂り、7時過ぎにホテルをチェックアウトしました。中国語では空港を「机場」と書きます。私はそれに飛行機の絵を添えてタクシーのドライバーに見せました。メーターは51元で、途中5元の高速道路に乗りましたので、帰りの分も含めて61元ちょうどをドライバーに渡してタクシーを降りました。高速道路の料金支払い所で私が差し出す10元札をドライバーが受け取ろうとしなかったため、後で高速道路代をごまかして吹っかけるつもりだと思い、料金メーターに表示された5元の文字を中国読みで「ウーユァン」と読み上げてドライバーをけん制しました。1から10の数字だけですが、中国語を覚えておいて助かりました。
空港には8時前に着きましたが、チェックインは8時半からとのこと。適当に時間をつぶし、チェックイン後はプライオリティパスで搭乗口付近にあるファーストクラスラウンジに入り、時間をつぶしました。ラウンジの利用客は私一人でした。
中国南方航空とのコードシェア便で10:10に瀋陽を発ち、定刻の13時20分ごろ関空に着きました。
関空では大韓航空のビジネスクラスラウンジが出国審査前の場所にありますが、これは到着時にも利用できるとのことでしたので、そこでワインと純米吟醸を飲み、新聞を読みました。セントレアの大韓航空ビジネスクラスラウンジより広々としていましたが、用意してある軽食、スナックはセントレアのほうが充実していると感じました。
その後7年ぶりに海遊館に立ち寄り、ぷらっとこだまで名古屋に帰りました。
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