バンコク旅行記(09年9月):The 旅行道:So-netブログ
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バンコク旅行記(09年9月) [海外旅行記]

昨年9月、8回目のバンコク旅行に出かけました。
 バンコクと言うとチャイナタウンやカオサン通りなど「バックパッカーの聖地」と言うイメージが強いかもしれませんが、同時に「一流ホテルの聖地」でもあります。かつてアメリカの経済誌によって10年間連続で世界一のホテルに選ばれたマンダリンオリエンタル、それと双璧をなす人気のフォーシーズンズ、2004年頃のトラベル誌で世界一に選ばれたペニンシュラ。その他にもコンラッド(ヒルトンの最上級ブランド)、JWマリオット(マリオットの最上級ブランド)、パンパシフィック(東急の最上級ブランド)、シェラトングランデ(シェラトンの上級ブランド)、グランドハイアット(ハイアットの上級ブランド)、インターコンチネンタル、シャングリラなど、私が知る限り世界一高級ホテルがひしめく町なのです。この町で見かけない高級ホテルブランドと言えば、リッツカールトンくらいでしょうか?
 このうち私が実際に宿泊したのはマンダリンオリエンタルとペニンシュラだけですが、その宿泊記を少しだけ紹介します。
 マンダリンオリエンタルはチャオプラヤ川に面し、100年以上の歴史を持つホテルです。高い天井からチーク材による巨大な釣鐘がぶらさがるロビーでチェックインすると、各フロア専属のバトラーによって部屋に案内されます。ベッドの横にはボタンがついており、それを押すとバトラーがやってくる仕組みです。バンコクの人にとってここで働くことはステータスであり、「祖父の代からこのホテルで働いています」というと立派な家系だと思われるようです。
そのサービスを一言で言うと、控えめで的確。レストランではこちらの会話を中断させることなく、存在感を感じさせずに的確なサーブをしてくれます。サービスしていることを客に意識させてしまうレストランも多い中、ここは「何となく居心地がよい」のです。
タクシーを呼ぶ時は、向こうからやってきたタクシーのナンバーをドアマンが小さな紙にメモし、ドアを開け、客がタクシーの天井に頭をぶつけないように手を添えて乗せてくれます。そして扉を閉める前に、そのメモを渡してくれます。これは降車時に料金などでもめた場合に後からクレームを言えるようにするためであり、このサービスのおかげでタクシードライバーもいい加減なことはできません。
一方のペニンシュラは1990年代にできた新興ホテル。マンダリンオリエンタルからチャオプラヤ川を渡った斜め前にあり、シャングリラホテルの奥にある専用の船乗り場からボートに乗って行きます。雨の日はホテルスタッフが私の頭上に大きな傘を広げ、自分自身は濡れながら案内してくれました。もちろん香港にあるペニンシュラホテルの姉妹ホテルですので、ロビーでのアフタヌーンティーもあります。ガラス壁の向こうに広がるチャオプラヤ川を眺め、ピアノの生演奏を聴きながらのアフタヌーンティーは、とても幸せな気分になれます。数年前は日本円にして2000円台前半でした。各部屋にはFAXをそなえたビジネスデスクがあり、洗面台は2人同時に使えるように2つ用意され、バスタブにつかりながらテレビを見ることもできました。妻と子供を連れて宿泊したときは運よくスイートにアップグレードしてもらえ、そこにはウェルカムフルーツとペニンシュラクッキーがおいてありました。

と昔の思い出を書きましたが、今回は一人旅ですし格安の3つ星ホテル利用です。
JALのホームページからバイヨークブティック2泊4日ツアーを申し込みました。ツアー代金32800円、1人部屋追加代金8000円、燃油サーチャージは無料でした。スマイルパーソナルカードで支払いをし、ツアープレミアム、たびクラブなど各種ボーナスマイルを合計すると、これだけで8000マイル以上貯まりました。このスマイルパーソナルと言うカード、今はルール改悪で屑カードになってしまいましたが、この時はまだ1万円のショッピングで220マイル貯まりました。
現地オプショナルツアーとして、オクトパストラベルでダムヌンサドアク水上マーケットとローズガーデンの日帰りツアー(英語ガイド、3200円)を申し込みました。またウェンディーツアーで、タイ古式マッサージ(2時間350バーツ)、シーロムビレッジでのタイ古典舞踊ディナーショー(480バーツ)、サイアムオーシャンワールド&4Dシアター(550バーツ)を申し込みました。いずれもインターネットで申し込み、クレジットカードで支払い、画面に表示されたバウチャーをプリントアウトして持っていくタイプです。
今回は私にとって8回目のバンコク旅行でしたので、ワットプラケオやワットポー、アユタヤなどの定番は行き飽きたこともあって外しましたが、バンコク旅行が初めての方ならぜひ行くことをお勧めします。
ワットプラケオはタイ語でエメラルド寺院と言う意味です。王宮の隣にあり、タイで最も由緒ある寺院とされ、中央にはタイ式、ミャンマー式など建築様式の異なる3つの仏塔が建っています。本堂にはエメラルド製とされる50センチほどの仏像が安置されており、年3回、国王自らが衣替えを行うそうです。ちなみに隣国ラオスの首都ビエンチャンにはワットホーパケオという寺院がありますが、こちらもラオス語でエメラルド寺院と言う意味だそうです。ラオス側は元々この仏像はワットホーパケオの本尊であり、それがタイによって奪われたと主張しているそうです。
ワットポー(涅槃寺)はワットプラケオの隣にあり、本殿には巨大な涅槃仏像があります。マッサージの仏様を祭る寺院でもあり、ここでタイ式マッサージを受けることもできます。腕は確かで料金も安いのですが、空調がありませんので汗だくになってしまいます。
なお、バンコクのタクシーは概ねメーターで走りますが、ワットプラケオとワットポーの周辺だけは観光客相手に正規料金の2~3倍を吹っかけるタクシーばかりですので、気をつけて(あきらめて?)ください。
アユタヤはバンコクから日帰りで行ける世界遺産の仏教遺跡です。ワットプラシサンペットをはじめ、その多くはビルマ軍によって破壊された廃墟となっています。昼間見ると「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を表す」という平家物語の一説が脳裏に浮かびますが、夜のライトアップは光線の色合いもあり、神々しい輝きに満ちています。ただし施設内に入場できるのは昼間だけですので、塀の外から写真を撮ることになります。
そうそう、あとひとつ絶対にお勧めなのがムエタイです。昔はタイ人と共通の料金で一等席1000バーツ、二等席500バーツ、三等席150バーツ程度だったのですが、数年前からかなり高額な外国人料金ができてしまいました。個人的には二等席がお勧めです。三等席では地元マフィアが胴元となって賭博をしており、多くの人が大歓声を上げながら応援しています。その雰囲気をすぐ傍で楽しみつつ、彼らとは金属ネットで隔離されて安全であり、かつ前方に行けば試合もそれなりに間近で見られるのが二等席なのです。あなたも1杯70バーツのビールを賭けて、連れの方とミニ賭博を楽しんではいかがですか? ビールは会場内を歩き回っている売り子に頼めばすぐに持ってきてくれます。
オカマバーも定番ですので、一度は行く価値があるかもしれません。ドリンクを飲みながら歌と踊りのショーを見るというものであり、女性でも安心して行けます。ショーの後はオカマたちにチップを払って一緒に写真撮影することもできます。

それでは今回の旅行記に移ります。
9月25日昼ごろセントレアに到着した私は、プライオリティバスを使って大韓航空のビジネスクラスラウンジに入りました。14:30出発のJL737便に乗り、現地時間の18:30バンコク着。ガイドに連れられてホテルに直行しました。古くからある二つ星ホテルを改装してブティック風のお洒落な三つ星ホテルにしたものですが、「マイペンライ(細かいことは気にするな)」のお国柄が表れて詰めの甘さが目立ちました。まあ今回は寝るだけなので良しとします。チェックイン時に甘いウェルカムドリンクをもらいました。

翌26日はダムヌンサドアク水上マーケットとローズガーデンの日帰りツアー(英語ガイド)です。朝6時からレストランで朝食を摂り、6時半過ぎにツアーバスのピックアップがありました。その後カオサン通りでフィリピン人家族をピックアップしました。彼らの名刺をもらいましたが、マニラ近郊にあるキングデービッド不動産会社の社長一族とのことでした。ここの親父さん(社長?)が非常に陽気で多弁な人であり、私の横に座って英語でマシンガントークをするため、結構疲れました。彼がひとつ興味深いことを言っていたため、紹介しておきます。「第二次世界大戦のころ、日本軍はフィリピンに来て悪いことをたくさんしたが、それは皆コリアンだ。日本人はみんな知らないが、フィリピン人はみんな知っている。現在フィリピンには多くのコリアン留学生がいて、大きな問題だ」とのことでした。きっと日本軍兵士としてやってきた朝鮮半島出身者が、フィリピンで多くの悪事を働いたと言うことなのでしょう。
私たちは最初、エレファントグラウンドに着きました。ここでは500バーツで象に乗ることができるのですが、これまでインド、アユタヤ、プーケット、チェンマイなどで何度も像に乗ったことがある私はやめておきました。建物の2階くらいの高さから象の背に乗るのですが、ゆったりと揺られつつ景色を楽しめるので、初めての方にはお勧めします。
次に到着したのは、バンコクから80Km離れたダムヌンサドアク水上マーケット。かつてはバンコク近郊にも別の水上マーケットがあったのですが、そちらは都市開発の影響で姿を消し、現在はダムヌンサドアクのみとなっています。道路の代わりに水路が張り巡らされた田舎町を、原付バイクのエンジンを取り付けたスピードボートがものすごい速さで疾走していきます。やがて町を一周したボートはその一角にある巨大なお土産屋に到着しました。以前、バンコク近郊の水上マーケットで値切って買い物をしたものの、陸に上がったらそれよりも安く定価で売っていた苦い記憶がありますので、今回は観光に徹することにしました。
次に向かったのはコブラショー。人間がコブラと対峙して素手で捕まえると言うものです。司会者の義理の兄弟もショーの最中にコブラに噛まれて死亡したそうで、まさに命がけ。毒のない大型蛇との格闘では、私たちの目の前でパフォーマーが腕を噛まれてしまいました。最後は人間対コブラ3匹。最初に右手で、その後左手でコブラを捕まえ、最後は口にくわえて捕まえると言うものでした。
その後昼食のレストランについた私たちは、10分くらいであわただしく食事を済ませ、象がサッカーをするショーを見に行きました。鼻でボールを持った象がシュートを放つと、人間のゴールキーパーが手加減しているとは言え、面白いようにゴールが決まりました。
そこから徒歩で会場を移動して、今度はワニのショーへ。ワニが大きく口を開いた中に10代前半の少年が首を入れ、客に向かってバイバイと手を振るのです。少年が首を口の外に出した瞬間、目にも留まらぬ速さでワニの口が閉じました。ワニのどんな習性を利用したものか、私にはさっぱり分かりませんでした。
その後はバスで会場を移動し、ローズガーデンへ。タイの伝統的な結婚式の場面やムエタイが、少しコミカルに脚色されて実演されていました。
内訳は忘れてしまいましたが、コブラショー、象のサッカー、ワニのショー、ローズガーデンであわせて1000バーツの入場料をツアー代金と別に払いました(もちろんこれらを見ないのなら払う必要はありません)。その後は定番の土産物屋に立ち寄り、そこからバスを乗り換えて夕食会場であるシーロムビレッジまで送ってもらいました。
前もって購入したバウチャーを提示して中に案内してもらい、そこでタイ料理を食べながら待っていると民族舞踊のショーが始まりました。タイの民族舞踊は指先の動きで感情を表現し、近隣諸国の民族舞踊と比べてゆったりしているのが特徴です。ショーの後はメータータクシーを捕まえてホテルに帰りました(60バーツほど)

翌27日は朝7時からホテルレストランで朝食を摂り、すぐ隣にあるバイヨークスカイホテルのプールに泳ぎに行きました。バイヨークスカイとバイヨークブティックは同じ一族が経営するホテルであり、バイヨークブティックの宿泊者はバイヨークスカイのプールを無料で利用できます。88階建てホテルの20階にあるプールで泳いだ後、ホテルの無料シャトルバスに乗ってサイアムスクエアに行きました。そこでサイアムオーシャンワールドというビルの地下にある水族館に入場しました。セダン車の内部がまるごと水槽になっており、運転席や助手席を魚が泳いでいる展示がありましたが、それが大変印象的でした。その先にはシンガポール、グアム、アモイ、青島、八景島などあちこちの水族館でよく見かける、巨大水槽の中にあるガラスチューブを動く歩道に乗って移動する展示がありました。
水族館横にある4Dシアターにも行きましたが、こちらはメガネをはめてスクリーンを見ると海の生物たちが飛び出して見えるという、よくある3Dシアターでした。なぜ4Dと呼ぶのかは分かりませんでした。
その後、市内を走るBTS(スカイトレイン)に乗ってスラサック駅まで行き、そこから徒歩10分のところにあるブサラカムと言うタイ宮廷料理の店に行きました。ここのランチビュッフェは200バーツ程度と大変お値打ちで、以前来たときは大変気に入りましたが、今回は残念ながら閉店していました。帰国後ネットで調べたらスクンビットに移転したとのことでした。次回バンコクに行くときはぜひリベンジで新店舗までランチビュッフェを食べに行きたいと思います。
やむを得ずBTSに乗ってサイアムスクエアまで戻ってきた私は、周辺の安レストランで昼食を済ませました。その後、バウチャーを購入してあった店で2時間のタイ古式マッサージを受け、タクシーに乗ってホテルに帰りました。
今回のツアーにはバイヨークスカイホテルでのフルーツバイキングが無料でついていたため、そちらに行きました。マンゴー、パパイヤ、パイナップル、ココナッツなどの南国フルーツが食べ放題になっており、ドリアンのアイスクリームもありました。
「地獄の臭いと天国の味」「果物の王様」と形容されるドリアンですが、現地ではビールと一緒に摂取したら死んでしまうとされています。高カロリーのドリアンとアルコールを一緒に摂取すると体への負担が大きいとのことですが、私も以前試したら動悸が始まりました。「心不全の人なら本当に命を落とすかも」と思いました。
その後、バイヨークスカイ最上階にあるオープンエアの展望台に行きました。夕暮れ時に町を走る車の灯りがとてもきれいでした。
夜7時半にホテルまでガイドさんに迎えに来てもらい、空港へと送ってもらいました。
空港ではプライオリティパスでCIPファーストクラスラウンジに入りました。JL738便で23:00にバンコクを発ち、翌朝セントレアに到着しました。
バンコクはどんな旅行者でも包容し、何度訪れても飽きない、不思議な魅力に満ち溢れていました。


1月19日 追記(旅行医学情報)
バンコクの街中には野良犬がたくさんいます。日本ではここ数十年間、狂犬病の報告はありません(海外で犬に噛まれて帰国後に発病した事例を除きます)。しかし東南アジア、中国では今もポピュラーな病気であり、毎年何千人という死者が出ています。海外で「可愛い~」と言って犬に近寄る日本人女性を見たことがありますが、これは非常に不用心です。噛まれて発病したら100%死亡する病気ですので気をつけてください。
なお、狂犬病という名前ですが、サルやリスなど他の動物に噛まれて発病することもあります。万が一噛まれた場合はすぐワクチン接種をすれば助かるかもしれません。しかし海外に渡航する希望者全員に前もって接種するほど国内の在庫はありませんので、海外で動物に近づくときは、死を覚悟するつもりで。
また鳥インフルエンザの問題もあるため、鳥や鳥の糞にもできるだけ近寄らない方が無難です。
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Gakuh11

タイは野良犬が暑さでへばってる光景をそこらじゅうで見かけるから怖いですよね
2009年にチェンマイ大学医学部に短期交換留学した際に象さんに多分同じところで乗りましたw
バンコクには4回ほど行きましたが、先生の挙げた高級ホテルの中ではシャングリラだけ泊ったことがあります
人生初の海外旅行でシャングリラで年越ししました(親戚が連れて行ってくれたから詳細知りませんが一人20マソ位した悪寒)が、綺麗だったけどやたら物価が高かった印象><

おいらはタイだとバイヨークスカイの近所のプラトゥーナム市場とかで売ってる、ココナッツの実にストロー刺してそのままココナッツジュース飲むのが好きですw
バンコクには学生時代にうちの大学でやったIAEA関係の学会で知り合った放射線科医師の知り合いが数人いるので、先生の旅行記読んでいてまた会いに行きたくなりましたw
by Gakuh11 (2011-05-18 22:55) 

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