ハルビン・長春旅行記(11年3月):The 旅行道:So-netブログ
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ハルビン・長春旅行記(11年3月) [海外旅行記]

まず最初に、被災地の方々にお見舞い申し上げます。私と妻も心ばかりの募金をしました。と共に、被災地から遠く離れた私たちにできることは明るく元気に自分のするべきことをして、日本経済を下支えすることだと思っています。ここで私が旅行を自粛しても、私のモチベーションが低下するだけで、被災者の方たちにとって何の益にもなりません。今回の旅行には予定通り行くことにしました。
「欲しがりません、勝つまでは」の精神は日本人の美徳でもありますが、それで消費が冷え込み、日本経済が衰退したのでは、勝者なき痩せ我慢大会でしかありません。被災者支援には継続が必要なので、息切れしないように少し楽に構えても良いのではないでしょうか? そのかわり、今後も継続して募金には協力したいと思います。

さて、今回はANAの22000マイルを使って、中国国際航空(CA)で、行きは中部発、北京経由、ハルビン行き。帰りは長春発、北京経由、中部行きのチケットを取りました。
ホテルはハルビンでJOIN US PLAZA(4つ星、楽天トラベルで朝食付き1泊318元)、長春で長春名門飯店(5つ星、Jchereで朝食付き1泊298元)を予約しました。今回、ハルビンから長春へはCRHと呼ばれる中国の高速鉄道を利用しますが、中国では鉄道の切符手配が難しい(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1228540832)ため、地球の歩き方に乗っていたハルビン新世紀国際旅行社に手配を依頼しました。日本語メールでやりとりし、一等車(JRのグリーン車に相当)乗車券91元+手配料50元を現地で切符と引き替えに支払うことになりました。ちなみに二等車だと乗車券76元+手配料50元になります。

出発当日となる18日、セントレアでハルビンまでのチェックインを済ませ、プライオリティパスでスターアライアンスラウンジに入り、朝食を摂りました。北京へと向かう機内はほぼ満席で、中国語が多く飛び交い、普段なら見かけるパッケージツアーの団体はいないようでした。Daily Chinaという中国の英文紙をもらいましたが、こちらでも一面記事で日本の地震や原発関連のニュースが大きく取り上げられていました。
北京で入国審査を済ませ、国内線のセキュリティーゲートを通り、CAのファーストクラスラウンジへ。こちらもプライオリティパスで入れ、午後2時までは牛肉麺、スープ、お粥、点心、サラダなどの昼食サービスを行っています。ここでゆっくりと時間をつぶした後、飛行機に搭乗し、ハルビンの空港に着いたのは18時半頃でした。
空港を出てすぐ左手にあるエアポートバス(机場巴士)のチケット売り場で20元払い、正面に泊まっているバスに乗り込みました。バスは毎時0分と30分に空港を出発しているようです。私が乗ったバスは19時ちょうどに出発し、19時45分にハルビン駅前に到着しました。なお車内では英語のアナウンスもあり、正面に巨大な駅舎が見える停留所を降りたすぐ隣にホテルがあったため、迷わずに済みました。
チェックイン後、近くのカルフールに買い出しに行き、その日は就寝しました。ハルビンビールが2元、カップヌードルが2~5元。1.5Lのミネラルウォーターが1.8元でした。

19日は朝6時20分に起床し、ホテル内でビュッフェの朝食を摂りました。その後、ハルビン駅で翌日に乗車するCRHの入り口を確かめ、タクシーに乗って(12元)文廟へ。地球の歩き方には8時半オープンとなっていましたが、本当は9時オープンでした。ここには少数民族の文化を紹介した民族博物館が併設されていると書かれていたので、それが目的で行ったのですが、見つかりませんでした。そのかわり15元と書かれていた入場料は無料でした。いつものことながら、地球の歩き方には振り回され放題です。
そこから徒歩で東北四大寺院の一つである極楽寺(10元)へ。ここでは多くの人たちが大きな線香を持ってお参りしており、奥の方には500体の賢者の像が安置されていました。そういえば、広州でもお釈迦様1000人の像が安置された寺院を見たことがあります。どちらの寺院でも一体一体姿形が違うのですが、いかつくて、かつファンキーな像が多いのが特徴です。この寺院には仏指舎利(釈迦の指の骨)も安置されていましたが、写真を見る限り人間の指の骨とは形が違う気がします。
その後、タクシーに乗って(13元)黒竜江省新世紀旅行社へ。あらかじめ旅行社の人からメールで地図を受け取っていたのですが、地球の歩き方に載っているのとは違う場所で、朝鮮系のビルが建っている4階にありました。ここで代金と引き替えにCRHの切符を受け取り、徒歩で北東の方角800メートルほどの場所にあるシナゴーク(ユダヤ教寺院)へ。地球の歩き方には無休となっていましたが、休日のみオープンとのことで、その日は閉まっていました。以前、ハンガリーでもシナゴークに行ったものの閉まっていたことがあり、いまだ中に入れたことがありません。あきらめて外観の写真だけ撮り、更に徒歩で中央大街へと行きました。ここには20世紀前半のロシア系の建造物が数多く残されています。ちょうど昼時だったので、東方餃子王という店に入り、餃子を含む3品とビール(総額33元)を頼みました。そこから徒歩でソフィスカヤ教会(15元)へ。ここはてっぺんにタマネギ型の屋根がついたロシア正教の教会であり、まわりにもロシアを彷彿とさせる建物が建っていますが、中は昔の写真を展示した写真館になっていました。その後、再び中央大街へと戻り、ロシアと中国を足して2で割ったような町並みを眺めながら北上し、スターリン公園へ。ここは松花江ほとりに広がる公園ですが、寒さのために川の表面は凍っていました。
少し離れたところにロープウェイ乗り場が見えたため、そちらへと向かいました。川の対岸まで片道50元であり、川向かいにあるロシア風情小鎮(ロシア人の別荘地を改装したテーマパーク)では、地球の歩き方によるとロシア人によるダンスショーが行われているとのことです。50元は割高でしたが、帰りはタクシーに乗って橋を渡って帰ろうと考え、片道だけ乗ることにしました。ロープウェイを渡り切ったすぐのところにあるロシア風情小鎮(20元)に入り、道沿いに建つ家屋を一軒一軒見て回りましたが、土産物屋や食料品の売店が大半でした。ロシアのキリル文字が書かれたジュース(4元)があり、周りの中国人が物珍しそうに買っていたので、私も買ってみましたが、ラスク(乾パンのお菓子)をジュースにしたような不思議な味でした。
建物の一つに、ロシア人女性のヌード写真が部屋中に飾られた展示スペースがありましたが、客は私一人で、従業員の若い女性が冷ややかな目でこちらを見てきました。こういうシチュエーションを楽しみたいマニアの方にお勧めです。
一番奥にダンスショーをする一角がありますが、鍵がかかっており、横にあるチケットブースも最近使われた形跡がありません。周りの客も少なく、採算がとれないのでしょうが、少なくともこの日ショーが行われるようには思えません。あきらめて帰ることにしました。しかし都心部から川を渡ったこちら側には流しのタクシーもなく、やむをえず行きと同じロープウェイで帰ってきました。その頃にはだいぶ寒さで体が参っていたため、タクシーに乗って(11元)ホテルに帰ってきました。部屋で仮眠を取って、夕方6時に目が覚めたものの、朝と昼にたくさん食べたため、あまりお腹がすいていません。この日は夕食を摂るのをやめ、部屋でゆっくり過ごしました。

20日も6:20に起床し、ホテルで朝食を摂りました。食後は部屋で荷物整理をしながら時間をつぶし、8:15にチェックアウト。駅までは徒歩数分でしたが、時間に余裕を見て出発し、待合室で時間をつぶしました。ハルビン発、天津行きのD178号は定刻の9:05に出発しました。私は一等車の車内で濃厚なハルビンビールを飲みながら、車窓から中国東北部の大平原の景色を楽しみました。車内はガラガラで、これなら直前に窓口で切符を買うこともできたはずですが、今回はCRH乗車も旅の目的の一つだったので、手配料50元は確実に切符を手に入れるための必要経費と割り切ることにしました。車内に表示される時速は150km台であり、高速鉄道を名乗るわりにはゆっくりと走っていました。
10:50に長春に到着し、駅前でタクシーを捕まえて偽満皇宮博物院に行こうとしましたが、タクシーの運転手が20元とふっかけてきます。もう一台、別のタクシーに聞いても、20元と言ってくるため、あきらめて乗車しましたが、本来なら駅から少し離れたところまで歩き、流しのタクシーを拾うべきでした。
偽満皇宮博物院(入場料80元)は、ラストエンペラー溥儀が満州国皇帝に即位した後の居城です。中国人は満州国を偽満州国と呼んで目の敵にしているので、満州国に関するものにはすべて偽という字が付きます。ここには中国語と英語の他に日本語の説明も多く、その点は良かったのですが、ちょっとした説明のたびに日本への敵意をむき出しにしてくるので、読んでいて精神的に疲れました。
これは以前、大連から203高地に行ったときにも感じたことです。日本の軍人(乃木将軍)が戦死者の慰霊碑を建てたという事実を紹介し、これは日本の悪行を証明するものである、という趣旨の強引な結論づけがされていました。日本を仮想敵国とした愛国教育を徹底した20世紀後半には、歴史捏造や誇張も行われていたようで、今でもその頃に教育を受けた現在30~40代の世代でもっとも反日感情が強いようです。
とは言え、この建物には何の罪もないわけで、中国風と洋風のミックスされた宮殿には、溥儀の遺品や生活空間、満州国に関する展示など見所満載です。隣には反日感情をかき立てる博物館があり、こちらにも入りましたが、やはり精神的に疲れました。
偽満皇宮博物院の見学を終えたときには午後2時近くになっていました。実はすべての荷物を持ったまま、昼食も摂らずに歩き回っていたので、疲労と空腹を感じていました。そこでタクシーに乗り、ホテルへと向かいました(13元)。ホテルにチェックインし、荷物を置いてから食べに出ようと思っていたのですが、近くに良い飲食店がありません。夕方5時からホテル内のレストランで、ブラジリアンBBQのビュッフェ(88元)があることを知り、それまで水だけで凌ぐことにしました。部屋で少し休んだ後、タクシーに乗って偽満州国務院へ(7元)。ここは日本の国会議事堂のデザインをベースに建てられた満州国の最高行政機関でしたが、現在は吉林大学医学部の校舎になっています。その隣にある偽満州国軍事部は吉林大学医学部の附属病院になっており、見舞客と思われる多くの人が出入りしていました。
長春にある観光地はそのほとんどが満州国時代のものです。その内メジャーな3箇所を見学したので、それで満足して、タクシーでホテルへと戻りました(5元)。
しかしまだ夕食までは時間があります。私が泊まった名門飯店には屋内プールもあるため、そちらに泳ぎに行くことにしました。もちろん最初からそのつもりで、あらかじめ水着を持参していました。寒空とガラス一枚隔てただけの狭いプールでは、多くの人が泳いでいました。しかし作りが古いこともあり、どうもチープ感が否めません。その上、周りの中国人は頻繁にプールサイドに痰を吐くので、気が滅入ってすぐに出てしまいました。
今回の旅行中も、バス車内で大声を出して携帯電話で話す人、割り込み、ティッシュを窓の外に捨てるタクシー運転手など、マナーの悪い中国人をたくさん見かけました。まあ、いつものことですけどね。
夕食のブラジリアンBBQは、通常の食べ放題の他に、シェフが焼いたBBQを各々の席まで持ってきて、切り分けてくれます。これで88元なので、こちらには満足しました。ただし飲み物は別料金です。食後はロビーでピアノの生演奏を聴いたりして、ゆっくりと過ごしました。

21日も6:20に起床し、ホテルでビュッフェの朝食を摂りました。8時半にチェックアウトし、「民航賓館機場大巴」と書いた紙をタクシー運転手に見せて、民航賓館前の空港バス乗り場へ(6元)。9時発の空港バスに乗り(20元)、長春空港に着いたのは9:40頃でした。空港に着いてから、空港バスのチケット売り場を覗いたところ、毎時0分と30分に民航賓館前から空港行きのバスが出ていると書いてありました。かなり早く着いたので、チェックイン後、待合室の椅子で本を読みながら時間をつぶし、12:10発のフライトで北京へと飛びました。
北京首都国際空港で出国審査を済ませ、プライオリティパスでCA国際線のファーストクラスラウンジへ。寿司や点心、肉の炒め物などをつまみ、Great Wall(万里の長城)という銘柄の赤ワインを飲んで時間をつぶしました。いつもながらここはとても寛げます。周りには当然のことながらファーストクラスの乗客がたくさんいますが、パソコンを開いてオフィスソフトを使っている人が目立つのが特徴です。エコノミー客の多い一般の待合室だと、土産物を手に、雑談している人が多いイメージですが。
飛行機は定刻より少し遅れましたが、無事セントレアに帰って来ました。名古屋から北京へと向かう往路に比べ、復路は空席が目立ち、私の知る限り周りは日本人ばかりでした。

ところで今回の旅行中、ハルビンから長春へと向かうCRHの車内でビールを飲みながら幸福感に浸っているときに思いついたのですが、「幸せ募金作戦」というのはどうでしょう?
日常の何気ない一コマで、ふとした幸せを感じた回数分、募金をするのです。幸せ1回あたりの募金額はそれぞれの懐具合で決めれば結構ですが、継続することが大事なのであまり負担に思わない程度の額にとどめておくことが肝心です。今日小さな幸せが3回あったなら、その分だけ募金をしましょう。自分が小さな幸せを見つけた回数だけ、被災地の人にもそれをお裾分けすれば、皆がハッピーです。自粛、やせ我慢で消費が冷え込むよりも、その方が良くないですか?
賛同いただける方は、2ちゃんねるやツイッターでこの作戦を広めてください。
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