ソウル旅行記(11年4月):The 旅行道:So-netブログ
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ソウル旅行記(11年4月) [海外旅行記]

今回はキャセイパシフィック(CX)の15000マイルを使って、ソウルに行ってきました。CXのマイレージプログラム、アジアマイルの特典航空券は距離制になっています。片道600マイル以下の距離をJALで往復する航空券と引き替えられますが、国際線では関空・ソウル間しかありません。行きは朝便で関空からソウルへ、帰りは昼便でソウルから関空へ飛ぶフライトを1年近く前に予約しました。
が、出発2日前になって帰りを夜便に変更するという英語メールが届きました。それでは同日名古屋着が危ういため、受け入れられないとメールを送ったのですが、それなら帰路便の日付を変えるとこれまた一方的なメールで通知され、泣く泣く受け入れました。この理由については後述します。
ホテルは大阪で前泊1泊、ソウルで2泊。いずれも楽天で予約した格安ホテルです。また、ソウル到着日夜のミソ(http://www.seoulnavi.com/tour/88/)と翌日の板門店ツアー(http://www.seoulnavi.com/tour/30/)をソウルナビで申し込みました。

7日夜、近鉄特急で名古屋から上本町へと移動し、そちらで宿泊しました。
8日朝、上本町駅を6:10に出るエアポートバス(所要50分、1500円)で関空に移動し、早めにチェックインした後、JALとCXの空港カウンターで帰路の昼便への変更を要望しましたが、断られました。
9:40発のフライトでソウルの金浦空港に飛び、そこから地下鉄(1300W)で光化門へ。駅近くの精進屋でヘジャングク(二日酔いに良いとされる、牛の血液と腸管を煮込んだ土色のスープ、7000W)の昼食をとり、そこから徒歩でその日宿泊するセファホステルへと向かいました。が、まだチェックインできないとのことで荷物を預けて市内散策へ。
地下鉄(1000W)で市庁まで移動し、そこからロッテデパート、免税店へと移動し、中を覗きましたが、ロッテデパート上層階のレストラン街がいつのまにか、お洒落になっていました。5年前までは昭和のデパートにあったような安っぽい飾り付けだったのですが、ダークブラウンを基調としたアジアンテイストの落ち着いた空間に生まれ変わっていました。一応、私も昨年同じテイストを狙って(材料費はケチりながら)自宅を建てた身なので、非常に居心地が良く感じました。一方でロッテ免税店は売り場面積が縮小したように感じました。
その後、ホテル道向かいの繁華街・明洞を散策しました。明洞とその近くにある地下街には、私が見かけただけで3カ所、日本への応援メッセージがありました。「日本の皆様あきらめないでください。頑張ってください。私たちはあなたたちの友達です。」とは、明洞のメインストリートに掲げられていたメッセージです。震災後、旅行の自粛などで日本人観光客が減ったこともあり、彼らも日本の復興を切に望んでいるのでしょう。が、ここは素直に韓国の皆さんの暖かい言葉に感謝しておくことにします。
夕方、明洞のメインストリートにあるノルブプデチゲという店で、プデチゲ(軍隊鍋、7000W)を食べ、夜8時開演のミソ(美笑)を見に行きました。これは夢龍と春香、2人の恋物語に沿って組み立てられた韓国伝統芸能の公演です。
愛し合う二人を快く思わない地方の小役人が、偽の王の書状を作って、夢龍をソウルに行かせます。一人残された春香に求愛するものの袖にふられ、激怒した子役人が春香を処刑しようとしたとき、ソウルで小役人以上に出世した夢龍が帰郷し、春香を助け出すという物語です。
光や音楽を使った演出効果は素晴らしいのですが、ヨン様好きのおばさんや水戸黄門好きのおじさん好みのストーリーで、一人一人の身体能力はさほどでもなく、登場人物の数を増やして人海戦術で望む点は、中国の公演と同じ手法です。その点で垢抜けたナンタやジャンプに比べ、知名度は今ひとつのようです。物語に沿った1時間の公演の後、とってつけたような20分間の韓国伝統芸能の公演が単体であるのですが、あれを光と音楽を駆使して物語の本体内に取り込むだけで、当社比30%アップの素晴らしい舞台になる気がします。皆さんも水戸黄門が印籠を出したクライマックスの後、20分間踊っている場面など見たくはないでしょう?
公演後、地下鉄に乗ってホテルに帰り、チェックインしました。セファホステルは1泊2000円ちょっとの安宿ですが、オーナーが親切で、インターネット、国際電話、ランドリー、コーヒー、簡易朝食などの無料サービスがついています。ハード面も値段からしたら上等でした。

翌9日、朝7時にホテルを出て、明洞にある神仙ソルロンタンという行きつけの店でソルロンタン(7000W)の朝食を摂りました。ホテルでもトーストの朝食がついているのですが、海外旅行に来て食パンで腹をふくらませるのも残念な気がしたので、そちらは辞退しました。
ロッテホテル6階にある旅行会社で板門店ツアーの受付を済ませ、8:50にバスで出発。道中、北朝鮮を望めるスポットがありました。韓国側の山は木で覆われているものの、北朝鮮側はすべて薪にするために伐採され、はげ山になっているので、すぐ見分けがつきます。韓国と北朝鮮の経済格差はおよそ38倍。現在では韓国人の多くが、本音では北朝鮮との併合を望んでいないとのことでした。
なお、この板門店ツアーには韓国人は参加することができません。私が乗ったバスは日本人専用車でしたが、震災後は日本人のツアー客が3分の1程度に減ったとのことでした。まずは非武装地帯入り口でパスポートチェックを受け、それからベースキャンプに向かいます。そして到着するとすぐ、板門店で何かあっても米軍と韓国軍は責任を取らないという書類にサインさせられます。その後、板門店の歴史について、短い映画を見ながらガイドから説明を受け、国連のゲストであるというバッチをもらって胸につけます。
そこからバスを乗り換え、徴兵制度で兵隊となった20歳くらいの若い韓国兵が同行したまま、板門店へと向かいます。このバスの車内では基本的に写真撮影が禁止されており、バスを降りた後は2列で歩き、北朝鮮側に手を振ったり笑ったりすることも禁じられました。武器になりそうな手荷物を持つことも許されず、兵士から「走って逃げろ」と言われても走れない、足腰の弱い人はバスから降りられないとのことでした。
板門店の近辺は本来、共同警備区域(JSA)でしたが、北朝鮮側が植えた木の枝を韓国側が切ろうとして、死者を出す争いになり、それ以来一本の境界線が引かれることになりました。その境界線をまたぐ形で建物が建っており、韓国側と北朝鮮側の観光客はそれぞれ時間差でその建物の中に入ることができます。14年前に訪れたときには、窓のすぐ外に北朝鮮兵が立っていたのですが、この時は遠巻きにこちらを監視しているだけでした。
その後、再びバスに乗り、板門店の傍を通ってベースキャンプに帰ってきました。写真撮影は境界線をまたぐ建物の内部と、板門店の傍をバスが通り過ぎるほんの一瞬、そして韓国と北朝鮮を結び、かつて朝鮮戦争の捕虜たちがそこでどちらの国に行くかを決めたという「帰らざる橋」の3カ所でのみ許されました。
ベースキャンプで国連ゲストのバッチを返却し、土産物屋に立ち寄った後、再びバスを乗り換えて帰路につきました。途中、北朝鮮を見られる臨津閣という展望台に立ち寄り、プルコギの昼食を摂り、ソウルのロッテホテル前に着いたのは14:50頃でした。
ツアーの最後にガイドがこう言っていました。「私はこのツアーのガイドだけど、本当は私が教えて欲しい。なぜ、同じ民族同士で戦うことになったのか。本当に北朝鮮だけが悪くて韓国は悪くないのか?」
一定の情報統制がなされ、すべて北朝鮮が悪いと教育される韓国において、これは非常に真っ当な感性の持ち主だと思いましたし、その言葉が重くのしかかりました。このツアーに参加される方は、有名な韓国映画であるシュリとJSAの二つを見てから行くと、より理解が深まる気がします。
ツアー終了後、前2日が遅寝早起きで寝不足だったこともあり、かなり疲れが貯まっていました。軽く食べてからホテルに帰ろうと思い、近くの屋台でトッポッキを頼みましたが、値段を聞く前に注文したところ、5000W請求されました。近隣の店では3000W位の値付けがされていたので、少しぼったくられたのでしょう。韓国人に隙を見せるとは、私もまだまだです。
その日はホテルの部屋でジンロを飲み、それ以上出歩くこともなく休みました。

翌10日、夕方まで1日フリータイムだったのですが、まだ疲れが残っていて、あまり歩き回る気にはなれませんでした。そこで初日と同じ精進屋でヘジャングクの朝食を摂り、空港に直行しました。もし帰りの昼便に空席があれば、そちらに振り替えてもらおうと思ったのです。しかし窓口で、4月27日まで昼便は欠航だと言われました。出発直前にネットで確認したときには昼便もあったのですが、昨今の自粛ムードを受けて搭乗客が減り、急遽決まったのでしょうね。欠航ならもう素直に諦めるしかありません。空港内にはショップやレストランもたくさんあったので、そこで時間をつぶし、夜便に乗って関空へと帰ってきました。
幸い、予定よりも15分ほど早く到着し、そこから南海特急、近鉄特急を乗り継いで、何とかその日のうちに名古屋に帰ってくることができました。

今年、韓国の経済成長率は5%くらいと予測されているそうですが、おそらく日本はマイナス成長になるでしょう。震災の影響、原発の影響は、我々一般人にはどうしようもないことですが、無意味な自粛がそのマイナス成長を更に加速させることだけは避けたいものです。
今まで通りの生活を送り、きちんと消費する。酒を飲んで、美味い物を食べて、旅行する。被災地に対する後方支援として、この当たり前のことを私は今後も守っていくつもりです。ここで安易な考えで後ろめたさを感じたら、日本の経済復興に背を向けることになるのです。
なお、今回自宅に帰ると、業者に依頼してあった自宅庭の造園の見積もり書が届いていました。しめて56万円なり。よーし、パパ、頑張って国内消費しちゃうぞ。あしたは当直だ。orz
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旅爺さん

マイルで韓国を思い切り楽しんで来ましたね。
韓国は帰国すると舌がヒリヒリから~く残りますね。
爺もJALのマイルで沖縄に行って来たんです。
by 旅爺さん (2011-05-02 05:52) 

毎留

沖縄は良いところですね。
私も10回以上行きましたし、一時は移住計画もあったほどです。今でも自分の部屋にはシーサーが飾ってあります。
沖縄について語らせたら、私は止まりませんよw
私のお勧めは、
・美ら海水族館
・おきなわワールドのエイサー
・美ら海の近くにある、古い沖縄家屋を使った沖縄そばの店
「うふやー」
・空港近くの沖縄料理の店「いじゅの花」
・ブセナテラスのアフタヌーンティー
・マリオットでケーキセット
・JALプライベートリゾートオクマ
・ココガーデンリゾート(3連泊以上で各種特典あり)
などです。
by 毎留 (2011-05-04 17:20) 

Gakuh11

2chの海外旅行板の何カ国行ったことありますかスレに貼られてたので飛んできましたが、、、名古屋、旅行医学というキーワード見て先生と同じ病院な悪寒がしてきますた・・・(笑)
まさか今月末韓国で来月パラオじゃないですよね?
違ってたら大変失礼しましたごめんなさい
by Gakuh11 (2011-05-12 21:18) 

毎留

>>Gakuh11先生
麻酔科の研修は覚えることが多くて大変みたいですね。
心が折れそうなときの短期海外脱出計画なら、いつでも相談に乗りますよw
by 毎留 (2011-05-13 14:10) 

Gakuh11

ありがとうございます
では先生の科を回る頃には心折れまくってると思われるので遠慮なく海外脱出・・・(コラコラw)と思っても、現実問題カレンダー見ると恐らく7月(麻酔科)か9月(外科)の連休時にしか行けそうにないですよねorz

そういえば話変わって来週水曜の件ですが、服装はドレスコードというかどういうものがよろしいですか?
昼間はオペ室で着替えがあるのでスーツだと若干辛いかなという気も・・・。泣

by Gakuh11 (2011-05-18 22:09) 

毎留

先生には神経内科ローテートの特別研修を課します。
土日と有給を2日使って良いので、4日間で海外にある世界遺産の写真を撮ってくること。
そのかわり、私も4連休でビンタン島かダッカ辺りに行ってくるので、留守を頼みます。もちろん困ったときに泣きつく相手をきちんと手配しておくので、心配は要りません。
ところで当院では神経内科医が不足しており、絶賛大募集中です。毎月海外旅行に出かける神経内科医になるノウハウなら伝授できますが、どうですか?
人口ピラミッドと疾病構造から予測する限り、今後ますます需要が伸びる科です。
なお、水曜日のドレスコードはセミフォーマル。ネクタイ着用が好ましい、と言ったところです。

by 毎留 (2011-05-20 22:23) 

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