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タイムトラベル小説を書いてみました [時間旅行]

以前から考えていたタイムトラベルに関する理論を小説の形でまとめてみました。
もしよろしければご一読ください。


タイムトラベルの終わり
http://ncode.syosetu.com/n9160dl/

(あらすじ)
学生時代、僕の前に高齢の男性が現れた。その人は園村と名乗り、当時ではあり得ない電子端末を持っており、未来から来たタイムトラベラーだという。僕は好奇心もあってその人の話を聞くことにした。
園村さんによると、タイムパラドックスとは時間が何次元なのか考慮しないため生じるエラーらしい。特殊相対性理論の公式からは、時間と空間はお互いに相手を虚数とする関係であり、光速を超えると時間と空間が逆転するという解が出てくる。
だから光速を超えたタキオン世界では、速度を求める際の分母と分子が入れ替わり、彼らも自分は光速より遅いと認識している。そしてお互いに光速の壁に隔てられて情報の交換をすることは不可能である。この必要条件として、時間と空間の次元数は同じでなければならない。空間は少なくとも三次元以上あるため、時間も三次元以上ということになる。時間とは、その流れる方向以外にも、深さや幅のように別の次元を持った川のような存在であり、そこには複数の歴史、パラレルワールドが共存するだけのスペースが十分にある。だからタイムパラドックスは起きず、タイムパトロールも必要ない。
量子論はミクロの世界における揺らぎを扱う理論である。量子論には、シュレーディンガーの猫やEPRパラドックスと呼ばれる、別の可能性が重なり合ったパラドックスがある。しかし時間が複数次元であれば、観測者自身が時間的な大きさを持っていて、別々のパラレルワールドにまたがった(例えば、猫が死んでいる歴史と生きている歴史にまたがった)状態だと解釈できる。
超ひも理論は、この宇宙が次元を持った「ひも」で出来ていると考える。ここでは時間と空間が合わせて十次元だとされる。だから時間と空間はそれぞれ五次元である。超ひも理論では対称性が重視されている。時間対称性を考えるなら、時間の川を下る際に時間の矢に量子論的なブレが生じるのと同様、過去に戻る際にもブレが生じるはずである。するとタイムトラベラーは自分が知っている歴史の過去に到達できず、別のパラレルワールドに紛れ込んでしまうため、既存のタイムトラベル系SFの多くは破綻する。
これらの説明を終え、園村さんは僕の前から立ち去った。
そして現在。僕は園村さんの正体を知り、彼のタイムトラベルの動機を悟った。
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